伯陽堂 http://hakuyou.la.coocan.jp/

プロフィール

Philo

Author:Philo
中国思想、仏教、オタク文化などが好きです。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
走馬灯戦記 9話感想
製作者:もぐら様

 もぐらさんの『走馬灯戦記』9話の感想をお送りします。
 ちょっと会社が忙しかったですが、ようやくペンをとることができました。
 ふ~む。
 今回も実にラジカルな話でした。

 まず、林家に対して聖が言ったことは、何一つ間違ってないんですよね。
 もしも、過ちを犯した人が、必ず自死して償う必要があるというなら、この世のほとんどの人は自死せねばならないことになります。僕なんかも大概ですし。
 でも、人は罪を背負って生きていきます。世直しのため、新妻のある夫を斬った緋村剣心のように。虐殺者の過去を持ちつつも、一人の少女の守護者となることを選んだ一方通行のように。どんな大罪を背負っていようと、その罪の分まで人に良くしようと心底から思うなら、人間社会はそれを受け入れるものだと思います。僕は『ゲシュプロテア戦記』で「以功贖罪」という考えを出してみましたが、結局のところ、人は真摯に生きるより他にないと思います。
 その点では、聖はもう充分悔悟したと思いますし、いまさら聖が死ぬことに意義はないのではないかとも思うのです。敗戦の責があるとはいえ、部下を死なせるたびに将が死なねばならないなら、この世の将軍という将軍は死ぬはめになるでしょうし。

 で、林家ですが。
 今回初めて、僕は林家を「嫌いだ」と感じました。

 これも明確に示されているのですが。
 藍の死とは、誰の責任でもありません。殺された城島が言った通り、「あれは事故だった」のです。藍は一人の武人として戦い、死んでいった。相手は人間ですらない獣という災害だった。なら、復讐するならそれこそ世界にでも復讐するほかないでしょう。
 そして何より、アリアが言っていたように、林家は藍を守れなかった。
 騎士団と姫士組の将軍に責任があるというなら、林家の責任も彼らに劣らず大きいし、責任者という点において、林家は聖と同格。被害者の立場で非難をすることはできないはずなのです。
 にもかかわらず、林家は、聖に対して断罪者の立場をとった。
 そろそろ、林家に残されていた仁義が払底しだしていると感じました。聖が言った通り、今の林家は、もはや害です。そもそもミフネの城島を殺したことで何人が妻を失う結果を生んだのか、林家は理解しているのでしょうか?
 それこそ、チカラさんが言った通り、「なぜ世界は林家ひとりのために回らねばならぬ」ということです。林家ひとりの復讐のために何百何千もの人を死に追いやる権利が、林家にあるのか。
 個人の妄執で罪なき人を死なせたなら、それはもはや復讐ですらない。ただの自己満足です。

 仮面ライダーギルスは、その点において今回、僕が彼をよく知らないということもありますが、論ずる言葉があまりありません。なぜないかといって、彼があまりに完全な正義を体現しているからです。今回、ギルスがやったことは、僕の想像力では、およそ瑕瑾というものを見出せない。彼の行為が正義でないなら、この世に正義という概念は存在しないのではないか。そのぐらい、今回のギルスは正義そのものでした。

 そしてもう一人、林家が決して勝てない、勝ってはいけない相手がひとり。
 それは紅葉です。
 かつての戦友に。そして自分が手にかけようとしている女の夫に。どの面を提げて、林家は槍を向けるのか? 藍の死の責任者の夫だから連帯責任でしょうか。そのワンステップは絶望的です。結婚したい相手が4親等でなく3親等だったという違いぐらいに絶望的です。あるいは、妻を殺された夫が自分に復讐に来るなら、今のうちに殺しておくという論理でしょうか。それは仁義ではなく利益ですね。
 結局、林家がどうあがいたところで、最終的な帰結として、死人は生き返らない、というより、起こった問題から目をそらし続けることはできない、ということなのだと思います。実際、そう難しいことではないと思うのです。妻を失った夫などいくらでもいるし、全ての理不尽に決着をつけようと思ったなら、世界を滅ぼす他はなくなってしまう。林家はすでにそこに手をかけつつあるかもしれませんが、僕には彼が、そこまでできるという気は、さすがにしないですね。
 あと、さりげないことですが、今回の終盤で林家が言った「フン、断罪されるのは貴様らの方…」という台詞。
 気付いているのかわからないが、すでに悪党の台詞ですね。こういう台詞を吐いた時点で、もはや怪人と化している気がしてなりません。

 いずれにしても、林家倫理学も、かなり大詰めのところまで来たという気がします。ここまで、一人のキャラと一つの命題を大切に守り続けてきたもぐらさんの意志力に、脱帽です。この困難な問いにいかなる答えが出されるのか、刮目して見守りたいと思います。
スポンサーサイト

テーマ : フリーゲーム - ジャンル : ゲーム

<< 走馬灯戦記 10話感想 | ホーム | 走馬灯戦記 8話感想 >>

コメント

コメントの投稿

URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。